やせホルモンと呼ばれるアディポネクチン
今、美容・健康業界では「やせホルモン」や「長寿ホルモン」と呼ばれる「アディポネクチン」が話題です。
アディポネクチンは、脂肪細胞から分泌されるホルモンの1種と言われていますが、具体的にはどういったものなのでしょうか?
やせホルモンと言われる理由は?
アディポネクチンは、一般的なホルモンとは少し違い、脂肪細胞から分泌されるホルモンです。
脂肪細胞からはホルモンだけではなく、多くの生理活性物質も分泌されます。その中でも、ダイエットや健康に効果が高いと言われているのがアディポネクチンです。
アディポネクチンは、脂肪を燃焼させる働きがあります。
そのため、メディアではアディポネクチンのことを”やせホルモン”と呼んだりして、話題となっているんです。
体を動かしてエネルギーが必要になった時、脂肪分解をする酵素・リパーゼが活性化されます。そして、体内の脂肪をエネルギーとして消費するのです。筋肉にある酵素・AMPキナーゼも同様に活性化され、糖分や脂肪分をエネルギーに変える働きもします。
これが運動による体内に蓄積された脂肪を消費する仕組みです。
これに対してアディポネクチンは、運動を行わなくてもAMPキナーゼを活性化する働きがあるんです。運動をしなくても体内の脂肪分を消費してくれるなんて、なんて夢のようなホルモンなのでしょう。
アディポネクチンが分泌されると、脂肪が燃焼しやすい、太りにくい体になれるんです。
長寿ホルモンと言われる理由は?
アディポネクチンは、やせホルモン以外にも”長寿ホルモン”との異名を持ちます。
その理由は、動脈硬化を予防して改善する働きがあるからです。
糖分や脂質を多数摂取することで、血管は弾力が失われて損傷していきます。そうなると、血管壁にはコレステロールが付着しやすくなり、血管が詰まりやすくなってしまいます。
こういったことで、動脈硬化、纐纈合う、心筋梗塞、脳卒中を引き起こしてしまうのです。
そんな中、アディポネクチンは血管内を改善する効果が高く、健康な血管に修復する働きを持っています。また、血糖値を下げる働きもありますので、糖尿病の予防にも効果があるんです。
ダイエット効果も高く、健康面も大きくサポートしてくれるアディポネクチン。素晴らしいホルモンですよね。
アディポネクチンは太っていると分泌が低下する?
アディポネクチンは脂肪細胞から分泌をされるため、太っていたほうが多く分泌をされているのでは?と思いがちですよね。
しかし、実はそうではないんです。内臓脂肪が多くなればなるほど、アディポネクチンの分泌は低下してしまいます。
そのメカニズムは、残念ながら明らかにはなっていません。しかし、脂肪が多くて太っている状態であれば、アディポネクチンの分泌が低下してしまうことは確かなようです。
アディポネクチンの分泌を高める食事
アディポネクチンの分泌を高めるには、食事の内容は重要なようです。
大豆たんぱくに含まれている、「βコングリシニン」は、アディポネクチンの分泌を高めると言われています。
このβコングリシニンは、木綿豆腐(100g)には6.6g、絹ごし豆腐(100g)には4.9g含まれています。
高野豆腐などの豆腐を元とする食材にも多く含まれています。大豆製品を積極的に摂取するようにしましょう。
また、青魚などに含まれているEPAもアディポネクチンの分泌を高めるようです。
青魚には、アジやイワシ、サバ、サンマなどが当てはまります。しかし、残念なことにEPAは脂肪ですので熱を加えると溶けてしまうんです。
そのためにも、刺身やカルパッチョなどの生で食べるようにすると、効率的です。
煮魚にする場合は、煮汁も一緒に摂るようにしてみましょう。
そして、実はアルコールもアディポネクチンを増やす食材なんです。
しかし、これはあくまでも適量のアルコールということが前提です。
ビールで言うと、中瓶1本、焼酎で0.7合、ワインだとグラス2杯ほどです。
アルコールは飲みすぎると中性脂肪を増やします。中性脂肪が増えるとアディポネクチンの分泌を低下させてしまう可能性がありますので、あくまでも適量のアルコールでないとアディポネクチンの分泌を高めることはできません。
運動も大切
食事以外にも、もちろん運動も大切です。
内臓脂肪が増えてしまうと、アディポネクチンの分泌を低下させてしまうからです。
内臓脂肪を抑えるには、運動は欠かせません。特に、脂肪を燃焼させる効果のあるランニングやスイミングなどの有酸素運動は不可欠です。
無理なく続けられる運動としては、ウォーキングやサイクリングといった日常に取り入れることのできる運動も良いでしょう。
まとめ
運動をしなくても脂肪燃焼効果のあるアディポネクチン。
ダイエットだけではなく、健康面にも大きく効果のある画期的なホルモンです。
しかし、内臓脂肪を増やしてしまうとその分泌は低下します。適度な運動と共に、アディポネクチンの分泌を活性化する食材を積極的に摂り入れていきましょう!